検査・調査/水質検査

項目説明

生活環境項目

水素イオン濃度(pH)

溶液中の水素イオン濃度をその逆数の常用対数で示したもので7が中性、7より小さいものは酸性、7より大きいものはアルカリ性です。
通常の淡水のpHは7前後ですが、表層水はどちらかというとアルカリ性であることが多く、地下水は土壌中の生物作用によって生じた二酸化炭素のために酸性であることが多くなります。また、湖沼水は、夏季の成層期には表層は植物プランクトンの光合成によって二酸化炭素が消費されるためにアルカリ性側に傾き、底層はプランクトンの遺骸の分解に伴って二酸化炭素や有機酸が生成するため酸性側に傾きます。

生物化学的酸素要求量(BOD)

溶存酸素の存在のもとで、水中の有機物質が好気性微生物により、生物化学的に酸化分解され安定化する際に20℃で5日間消費される酸素量を㎎/Lで表したものを指します。BOD値が高いことは、その排水中に分解されやすい有機物が多いことを意味し河川に放流されると溶存酸素を高度に消費し魚介類に被害をもたらすことを意味します。

浮遊物質量(SS)

水中に浮遊している物質であるが大きな木片等や、コロイド性物質の微細なものは含まれない。指定のろ過器でろ過、乾燥させてその重量を量り水中の濃度で表わします。浮遊物質量には、無機質と有機質があり、数値が大きい程水質汚濁が著しくなります。水中に浮遊する不溶性の物質は単に水質汚濁の原因となるだけでなく、河川に汚泥層を形成したり、また浮遊物質が有機物質である場合には腐敗し、水中の溶存酸素を消費します。また魚類のえらに付着してへい死させ、一方、光の透過を妨害し、植物の光合成に障害を与えます。

溶存酸素量(DO)

 水中に溶解している酸素量で、きれいな自然水域では酸素はおおむね飽和していると考えられます。溶存酸素は、水中の魚介類や好気性微生物などの呼吸に使われるので、欠乏すると魚介類のへい死や水の腐敗などが起こります。DOは有機物による汚染の著しい水域ほど低い濃度を示し、飽和量の50%が魚介類の生存限界といわれています。飽和量は温度及び気圧によって変化します。

大腸菌群数

大腸菌は、人畜の腸管内に常に生息しているいわゆる腸内細菌群の主要なもので、それ自体、人の健康に有害なものではありません。しかし、大腸菌が多数存在する場合は、同時に赤痢菌、チフス菌等の病原菌が存在する可能性があり、糞尿とともに排泄されるので病原菌等による汚濁の指標として重要です。したがって、河川、工場排水等について基準値が定められています。河川のAA類型の環境基準値は50MPN/100ml以下、A類型は1,000MPN/100ml以下です。汚染源としては、生活系排水及び畜産系排水が主に考えられます。

化学的酸素要求量(COD)

水中の主として有機物の量を推定するために求められる酸素消費量のうち、化学的な方法で測定したもので水中の非酸化物質(主として有機物)を、酸化剤によって化学的に酸化した際に消費される酸素量をmg/Lの単位で示したものをCODといいます。CODが大きいほど汚濁の程度が高くなります。また、BODに比べて短時間で測定できることや有害物質による影響を受けないなどの利点があります。

窒素(T-N)

下水汚水中の窒素化合物は、有機性窒素または無機性窒素として存在するが、両者の関係は極めて密接です。下水汚水中にはタンパク質、アミノ酸、尿素、尿酸など多種多様の有機性窒素化合物が存在し、これが生物学的分解の結果生じたアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素などの無機性窒素が共存します。
これら窒素化合物の由来としては ①し尿処理水、台所排水、浴場水などの生活排水、②し尿処理場、畜産ふん尿処理水及びこれらの未処理物、③工場排水及びその処理水が主要なものですが、下水汚水中の各種の生物の作用を受けて低分子に分解されて無機化し、また生物に摂取されて細胞体を形成します。
下水汚水中の窒素化合物量を知ることの意義は、水質汚濁原因物質としての役割が大きいところにあります。
窒素は肥効成分の三要素の一つとして重要であり、水中から供給される窒素は農作物にとって有効な肥料源ですが、過剰になると葉茎繁茂がすすみ、葉茎を軟弱にして病虫害を誘起しやすく、また倒伏しやすくなります。そして登熱がおくれて不穏歩合を増大させ、収量にマイナス的に働きます。

リン(T-P)

天然に存在するリンは大部分がリン酸塩の形をしています。リン酸は肥料三要素の一つで、植物の栄養上重要です。リン酸塩の水域への過剰な流入は植物プランクトンを過剰に繁殖させ、富栄養化の原因となります。
水中のリンは種々の形態の溶解性または懸濁性成分として存在します。全リンはこれらのリンを分解し、すべてリン酸として定量します。
リンは地中に広く存在し、また自然水中にも含まれています。リンは肥料の三要素の一つであり、植物には肥料として多く補給されています。水中にリンが増加するのは、このような肥料に由来する農業排水や、し尿や洗剤などの生活排水、さらに工業排水等からの混入に由来する場合が多く、通常の廃水処理ではリンはほとんど除去されないので、し尿処理場や下水処理場からの放流水も大きな負荷源となります。リンはそれ自体が直ちに水質汚濁を生じる物質ではないが、生物の増殖活動に重要な役割を果たし、湖沼、海域等の富栄養化を促進する一因とされています。
全リンについては水質汚濁に係る環境基準のうちの、生活環境の保全に関する環境基準が湖沼について定められています。水質汚濁防止法に基づく排出基準では全リンは16mg/L(日間平均8mg/L)と定められています。また、瀬戸内海環境保全特別措置法において富栄養化防止の指定物質となっています。

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